日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2023年2月11日話が苦手! その大きな原因とは?

★話にはテクニックよりも大切なものがある


人前で話をするのが苦手という人は本当に多いですね。話すのが得意だという人の方が少ないのでは、と思うほどです。そうした苦手を克服したいと思っている人が日本話し方センターのベーシックコースを受講されています。
ところで、受講生に話を聞いてみると話が上手になるためのテクニックを身につけたいと考えている人が目立ちます。確かに、話すテクニックはとても重要ですし、それを身につけることで話し方は確実に上達します。しかし、テクニックは話がよりよく相手に伝わるためのものですので、それを身につけただけでは話に対する苦手意識はなくならないでしょう。そもそも話が苦手な原因はテクニックとは別の所にあるのです。
その原因とは『話す材料がない』ことです。





★材料がなければ話はできない


例えば、日常会話で話が思うようにできない場合、話をまとめる力がないからだ、と思ってしまいがちです。しかし、根本的な原因は、話す材料がないということなのです。残念なことに、多くの人はこの原因に気付いていません。日常会話をするにしても、スピーチをするにしても、大切なことは話の材料が自分の中にあるかどうかです。実際、ベーシックコースの受講生は、毎回行うスピーチ実習の原稿を作る時に話の材料がなくて苦労しているようです。こうした苦労をしないよう、話の材料は常日頃から集めておかねばなりません。スピーチをするときになって「何を話したらいいんだろう」とあれこれ思い悩んでも、もともと材料を持っていなければ見つけようがないのです。しかし、日頃から話の材料を集めておけば、スピーチをすると決まったときに「どれを話そうか」とストックしている材料の中から選べるようになります。


このことについてはtwitterでもツイートしています。




では、そうした話の材料はどのようにすれば集まるのでしょうか。




★自分の体験を集める


まず、材料をどこから集めるか、ということについてお話します。
一番のお勧めは自分の体験から材料を集めることです。中でも軽い失敗談はスピーチの材料として取り上げやすいものです。例を示しましょう。
・友達と三越前で待ち合わせることになり、当日、三越前駅に行ったが彼が現れない
・携帯で連絡したところ、友達は三越前駅ではなく三越百貨店の前で待っていた
・そこで日本橋三越の前に移動したが、やっぱり彼はいない
・もう一度連絡すると、彼は銀座の三越前で待っていた
・何事も誤解がないようにしっかりと確認をしないといけない
このような、ちょっとした失敗談は私たちの日常の中にたくさんあります。それらをメモしておくと、立派な話の材料になるのです。




★見たこと、聞いたことを集める


また、見たこと、聞いたことからも集めることができます。これも例をご紹介します。
・コンビニの駐車場で、買ってもらったお菓子を持ってスキップしながら車の方に走っていく女の子を見た
・お菓子を買ってもらっただけでウキウキしてスキップしている姿がとても微笑ましかった
・その時、子供は少しのことでも感動するが、大人は余程のことがないと感動しないな、と思った
・少しのことでも感動するようにすれば、若々しい気持ちが持てるのでは、と考えた
コンビニの駐車場でスキップしている女の子、というごくありふれた光景を見ただけでも話の材料は得られます。


上に述べたような「しまった」「いいなぁ」「おやおや」など、少し心が動いた出来事を日頃から意識してストックしておくことが大切です。




★自分の意見をつける


ところで、話の材料集めでとても大切なことがもう一つあります。
それは自分の意見を持つということです。上に紹介した体験談で、友達との待ち合わせ場所を2回も間違えたという事実だけを話しても聞き手は「だから何?」と思うでしょう。誤解がないように確認しよう、という意見をつけて初めて「なるほど」と思ってもらえるスピーチになります。同様に、コンビニの女の子の話も、単にスキップしている女の子がいましたというだけではスピーチになりません。子供はすぐに感動する→大人は感動しなくなっている→もっと感動して若々しい感性を磨こう、という意見をつけたから、こうしたちょっとしたことでもスピーチにできたのです。
このように、日常の経験や見聞きしたものに自分の意見をつけることを習慣にすれば話の材料は面白いほどたまっていきます。




★話し方を基本から学びませんか?


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、話の材料の集め方をより詳しく講義でお伝えしています。材料集め以外にも話し方の基本を網羅的にお伝えし、実践に向けたトレーニングを行っています。ぜひご受講をご検討ください!

>横田章剛のブログTOP